バスを1台まるまる借りることが出来る貸切バス。企業の旅行や研修、学校の部活、遠足、また冠婚葬祭などの送迎など、大人数での移動の際によく利用されます。公共交通機関とは異なり、スケジュールや行き先を自由に設定することができ、柔軟に利用できます。
通常貸切バスは運転手がつくことが基本であり、料金は運転手の代金が含まれた料金となっています。
今回は貸切バスの料金相場、また料金の決まり方について解説します。できるだけ料金を安くするためのポイントも解説していますので、是非最後までご覧ください。
大型バス
運転手付き:約102,000円~
写真提供:東都観光バス株式会社
人数
20~60人
荷物の量
スーツケース36個
有料道路区分
特大車
こんな人におすすめ! ・荷物を20個以上いれる予定がある
・狭い空間ではなく、ゆったり乗りたい
・旅行、研修や合宿などの団体移動におすすめ
中型バス
運転手付き:約90,000円~
写真提供:東都観光バス株式会社
人数
~27人
荷物の量
スーツケース15個
有料道路区分
大型車
こんな人におすすめ! ・全員分の荷物を入れる必要がない
・大型よりも乗車する人数が少ない
・補助席がなくても大丈夫
小型バス
運転手付き:約75,000円~
写真提供:日野自動車株式会社
人数
~25人
荷物の量
スーツケース4個
有料道路区分
中型車
こんな人におすすめ! ・トランクルームに積むような荷物がない
・補助席がなくても大丈夫
・短距離での移動で十分
マイクロバス
運転手付き:約64,000円~
写真提供:いすゞ自動車株式会社
人数
~27人
荷物の量
スーツケース―
有料道路区分
中型車
こんな人におすすめ! ・トランクルームに積むような荷物がない
・人数が変動するかもしれないので補助席がほしい
・送迎目的で利用したい
リフト付きバス
運転手付き:約95,000円~
写真提供:いすゞ自動車株式会社
人数
48人
荷物の量
車イス16台
有料道路区分
特大車
こんな人におすすめ! ・車椅子利用者がいる
・狭い空間ではなく、ゆったり乗りたい
・乗務員にサポートしてもらいたい
VIPバス
運転手付き:約114,000円~
写真提供:日野自動車株式会社
人数
37人
荷物の量
スーツケース36個
有料道路区分
特大車
こんな人におすすめ! ・大人数で移動したい
・ビールサーバーなど、他とは違った設備がほしい
・豪華なバスで特別な時間を過ごしたい
貸切バスの料金は、基本的に4つの要素で価格が決まります。
出発地点とバス会社の距離、目的地までの距離、借りる時間、車種の4つです。
このうちバス会社から集合地点までの移動にも料金がかかっていることはあまり知られていないのではないのでしょうか?
また、借りる時間も乗車している時間だけではなく、バスが集合場所に向けて出発する前の点検の時間も含んだ時間になっています。
この様に貸切バスの価格を決める要素はシンプルですが、いつから時間と距離が計測されはじめるのか?という部分が非常に複雑になっています。
具体的に距離・時間が計測される部分をそれぞれ解説します。
料金が計測され始めるのは乗車してからではありません。
実際に乗車する前後も、実は料金が発生しています!
バスの料金は主に①キロ制運賃、②時間制運賃の2つから構成されます。
それぞれの料金が発生するタイミングを説明します。
当日、バスは貸切バスが停まっている各営業所(車庫)からお客様の待つ集合場所に移動します。実はこのバスの回送の移動の距離も計測され、キロ制運賃に含まれます。同様に、解散場所から各営業(車庫)までの距離も運賃に含まれます。
貸切バスは安全性の観点より点検を行ってから出発します。このバスを点検する時間(出庫前1時間+帰庫後1時間)も時間制運賃に含まれます。そしてキロ制運賃と同様に営業所からバスが移動する回送時間も含まれます。また、貸切バスの最低運行時間は3時間と定められています。仮に1時間しか借りないときも、3時間分の料金が発生するため注意が必要です。
実際に東京駅から軽井沢まで貸切バスを借りた際にどういった計算になるか見てましょう。
上で説明したように、キロ制運賃は営業所より、また時間制の運賃は点検開始より計測されます。
そうすると以下のような計算になります。
合計金額=①+②
①キロ制運賃=(営業所から東京駅+東京駅から軽井沢175km)×(往復)×キロ単価
②時間制運賃=(点検時間+①の区間での移動時間)×時間単価
この内1時間あたりの時間単価と1kmあたりのキロ単価は、料金の下限と上限が全バス会社共通で法律により決まっています*1。
つまり、料金がかかるのは乗車しているときだけではないということと、営業所と集合場所が近いバス会社の方がより安いことがポイントです!
難しい料金の計算も「出発地」「目的地」「人数」「車種」さえ分かれば、当サイトの料金シミュレーションで簡単に計算できます。
見積りの前に、だいたいの料金が知りたいという方は是非お試し下さい!
*1 参考:NBA公益社団法人日本バス協会
東京駅⇒軽井沢の場合 (往復距離 350km | 移動時間 7h) |
大型バス~60席 | 中型バス~27席 | 小型バス~25席 | マイクロバス~21席 | |
---|---|---|---|---|---|
1人あたりの料金(運転手付き) | 10人利用 | ¥23,628 | ¥20,637 | ¥17,443 | ¥17,443 |
20人利用 | ¥11,814 | ¥10,318 | ¥8,722 | ¥8,722 | |
30人利用 | ¥7,876 | ¥13,758(2台利用) | ¥11,629(2台利用) | ¥11,629(2台利用) | |
40人利用 | ¥5,907 | ¥10,318(2台利用) | ¥8,722(2台利用) | ¥8,722(2台利用) | |
50人利用 | ¥4,726 | ¥8,255(2台利用) | ¥6,977(2台利用) | ¥6,977(2台利用) |
事前にお支払いするバス料金の他に、当日費用が発生し、お客様にバス料金に加えて支払って頂く必要がある料金がございます。
例えば高速道路の料金や、駐車場の料金などはバス料金に含まれませんが、当日費用として発生し、後日お客様自身に支払っていただく必要があるため、注意が必要です。その他、バス料金に含まれる費用・お客様に追加で支払っていただく費用をそれぞれ紹介します。
複数日程借りる場合や、高速・有料道路を使用する予定がある場合は必ず確認するようにしましょう!
貸切バスは15分程度の停車であれば路上に停車することができますが、30分以上の停車をする場合は原則駐車場に停めなければいけません。貸切バスを駐車場に停める際の料金は乗用車と比較し、3倍の料金がかかります。またバス専用の駐車場を利用する際は、完全予約制のところが多く、数も限られているため、事前に確認し予約しておくと良いでしょう。
高速道路や有料道路を利用する場合、別途料金が発生します。そのため事前に経路を確認して料金を確認しておきましょう。走行する道路はバス会社が決めます。費用を抑えたいという理由で下道を使ってほしいとの要望もあるかと思いますが、安全性の観点から基本的には下道は使いません。
またほとんどの貸切バスでは、ETCカードの持ち込みと利用が可能となっておりますETCを使いたい場合は、事前に「ETCカードを持ち込みたい」とバス会社に伝えておきましょう。
高速道路の料金の調べ方に関して、詳しくは以下の記事で解説しておりますので、是非ご確認ください。
2日間バスを借りる場合は、運転手の宿泊先の手配も必要となってきます。1泊2日の宿泊費用は、通常朝食と夕食を含めておおよそ7,000円~10,000円程度です。目的地が近い場合は、一度バスを返却し、翌日再度バスに迎えに来てもらう事もできます。しかし、遠方の場合はバスを戻す際の回送代の方が高くなるため、宿泊先を手配する方がお得になるでしょう。運転手の宿泊先を探す際には2食付きプランの個室で手配するのが一般的です。またバスを停車する必要があるため、宿泊施設に駐車場が備わっているとよいでしょう。施設内に駐車場がなければ、近隣の駐車場を別途手配しなければなりません。
食事に関しては、2食付きでないプランも選べますが、その場合は運転手に別途食事代を支給する必要があります。
バスガイドの料金相場は、1万5,000円~2万円(税別)程度です。貸切バスの基本プランにバスガイドは含まれていないため、手配したい場合は別途料金が発生します。料金の内訳としては、人件費と宿泊費が含まれています。バスガイドを手配することで、現地の観光情報を詳しく解説してくれ、旅を一層盛り上げてくれるため、団体での旅行を検討中の方は是非活用すると良いでしょう。
貸切バスの最低料金は先述したように4つの要素によって決まりますが、各バス会社はさまざまな条件で上乗せをして最終的な価格を設定します。
貸切バスの金額が会社ごとに変化する理由とポイントを7つにまとめました。
できるだけ安く借りるためにも是非参考にしてみてください。
貸切バスの料金は通常期と繁忙期に分かれて料金が変動します。
前は安く借りることができたのに、違う時期で見積りをとったら高くなった、なんてこともあります。
繁忙期と通常期では料金が2万~4万も異なることもあるため、スケジュールをずらせるのであればなるべく繁忙期を避けるほうがおすすめです。
貸切バスの料金はシーズンだけでなく、曜日によっても変化します。土日、祝日ではなく、実は木金の方が需要が多く、値段が高くなるため
注意しましょう。
利用する時間も注意が必要です。深夜・早朝(22時~翌5時)の運行は追加料金がかかります。
また、長時間の利用の際は運転手の交代が必要になり、2名体制になるため場合があるため金額も多くなります。
バスの車種によって料金が変わり、基本的に大型になるほど料金が高くなります。
ただし、貸切バスの料金は借りる台数あたりの料金となります。
仮に5人で借りる場合と40人で借りる場合も同じ1台であれば料金は変わりません。
つまり、大人数の場合はマイクロバスよりも大型バスの方が、一人あたりの料金が安くなることもあります。しかし、各バスでのせることができる荷物の量は最大人数よりも少なく、全員分の荷物を載せることができないことがあるので、荷物が多い場合は注意しましょう。
バスの料金に関わってくる時間単価、キロ単価は出発するエリア毎に異なります。
特に時間単価でいえば近畿地方が他の地域と比べて割高になっています。
またキロ単価では中国地方が他の地域と比べて割高です。
関東などの都市圏の金額が高そうと思われがちですが、意外にも他の地域のほうが高くなっています。
県を越えて貸切バスの会社に来てもらう、ということは営業区域上の問題で、借りることはできませんが、移動した先の業者で貸切バスを借りることはできます。
バスガイドなどのオプションを加えると料金が高くなります。またトイレ付きのバスも通常のバスよりも高くなります。
貸切バスではコースを指定でき、また休憩時間も自分たちで決めることができるため、トイレ休憩をちゃんと取ればトイレ付きのバスでなくとも大丈夫です。
貸切バスで移動した先で、観光などを行う際は運転手の待機時間が発生します。
実はこの時間もバスの料金に含まれます。
そのため、移動する距離が短い場合は一度車庫に戻ってもらい、また来てもらうほうが安くなる場合もあります。
またフェリーボートにて移動する際には、乗船中の時間も含まれ、最大8時間を上限として時間制運賃が加算されます。
貸切バスの最低料金が決まる要素は4つあり、出発地点とバス会社の距離、目的地までの距離、借りる時間、車種の4つです。
また、料金にかかる時間と距離が計測され始めるのは、乗車する前の各営業所の時点からとなっており、注意が必要です。
その他料金を安くするためにみるべきポイントは7つあります。
少しの工夫で金額が大きく変わることもあるので、是非チェックしてください。
また実際にどれくらいの費用で使えるか把握するために、なるべく見積りをすることをおすすめします。各社に見積りをお願いするほどではないけど、料金の概要が知りたいという方は、料金のシミュレーションを活用して是非確認してください。
お客様からよくいただく質問をまとめました。
貸切バスを借りる上でわからないことがあれば、是非こちらを確認してください。
特に質問が多いのは、バスの仕様・設備に関する質問でした。実際に使用する際のことが気になる方が多いようです。
また、料金については、当サイトで詳しく解説している記事もあるため、是非参考にしてくださいね!
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